実は、4月8日灌仏会の日は、元々「疫病除け神事(鎮花祭)」の日であった
お釈迦様の誕生日とされ、草花を飾り、甘茶を仏像に振舞う仏教行事の日と思われているが、
折口信夫氏は「卯月八日のてんとうばななども、釈迦誕生の法会とは交渉なく、日の物忌に天道を祀るものなるべく、千早ふる卯月八日は吉日よ、神さけ虫を成敗ぞする」
とあるように花の散る時期は疫神の活動が盛んになる時期と考えられてきた。熱田神宮では旧暦四月八日(現在五月八日)花の撓(とう)という豊年祭、大神神社摂社狭井(さい)神社で四月一八日に行われる疫病を鎮めるための華鎮祭、京都今宮神社で四月第2日曜日に行われる「やすらい」祭りも疫神を鎮める祭りなどが今でも行われている。
またこの日を祭礼日としていた神社や山開きとする山も多かった。遠足のルーツでもある。柳田國男はこの日を5月田植えの季節の祭りのためにする斎忌の始めと言っている。
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