実は、夏越の大祓のあの大きな茅の輪は「腰にまくもの」だった
『風土記逸文』 備後風土記に曰く、「疫隅国社(えのくまくのくにのやしろ)、昔北の海に坐しし武塔神、南の海の女子(むすめ)をよばひに出で坐ししに、日暮れたり、彼所(かしこ)に蘇民将来・巨旦将来という二人すみき。兄の蘇民将来はいと貧しく、弟の巨旦将来は、にぎはひて、屋倉一百ありき。ここに武塔神、宿りを借り給ふに、おしみて借しまつらず、兄の蘇民将来は借し奉る。即ち粟柄を以て座とし、粟飯等を以て饗(みあへ)奉る。既に畢へて出で坐しき。後年経て、八柱の子を率いて還り来て、詔りたまはく、我、将来の為に報いせむ。汝が子孫、其の家に在りやと問はし給ひければ、蘇民将来答へ申さく、己女子とこの婦(め)と侍ふと申す。即ち詔り給はく、茅の輪を以て腰の上に著けしめよと詔り給ふ随に、著けしめき。その夜に、蘇民と女人二人とを置きて、ことごとに許呂志保呂保志てき。その時に詔りたまはく、吾は速須佐能雄能神なり。後世に疫気(えやみ)あらば、汝蘇民将来の子孫(うみのこ)と云ひて、茅の輪を以て腰の上に著けよ。詔の随に著けしめば、即ち家なる人は免れなむと詔り給ひき。
茅の輪を腰にまいたことにより災厄を免れたという故事
夏越=夏を越し、残り半分を無事過ごせることを願った言葉。または疫病神を和ませ災厄を鎮める意味もある
茅=根は漢方薬、利尿、止血作用
「水無月の夏越の祓いする人は千年の命のぶといふなり」
大祓は1300年前から行われている
世の中、いろんなウイルスが蔓延っている。「大祓行事」によって救われるかもしれない。
因みに、この茅が秋にはススキとなり、稲の実りに見立てられる。
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